みなさんは、虐待と聞くとどのような物を思い浮かべますか?
ここでは、介護施設において常態化している虐待をご紹介します。
ある介護施設に、Tさんという脳梗塞の後遺症で右半身不随になった、70代後半の女性がいました。
Tさんは、脳梗塞の薬の一種として、離尿剤を飲んでおり、1時間に1回はトイレに行っていたのです。
そんなTさんに職員は、苛立ちを感じ、
「そう何度もトイレに行かないでください。」
「子供じゃああるまいし、我慢できないんですか?」
など、言葉による暴力を振るっていきます。
もっともひどい職員にいたっては、トイレ介助で立ち上がったときに震えるTさんの右足(脳梗塞の影響です)を、平手でピシャリと叩いていたそうです。
また、Tさんは脳梗塞を患っていても、言語は明瞭な方だったので、よく「車椅子にずっと座っているとお尻が痛い。ベッドで休ませてほしい。」と、職員に訴えておられました。
Tさんは、もともと心臓が弱いこともあり、本人から寝かせてほしいとの訴えがあった場合は、ベッドに寝かせて差し上げるよう、看護師から介護職員に指示がきていたものの、介護職員たちは、
「まだ、9時になっていないから待っていてください。」
「寝てばかりいると、体力が落ちてしまいますよ。」
など、適当な言い訳をつけてTさんの訴えを聞き入れようとしません。
こうして、普段の生活で職員から、虐待に似た措置をとられ続けたことが影響して、Tさんはストレスがたまり、あるとき脳梗塞を再発させてしまします。
そのように、日常の何気ない言動が施設に入居している高齢者にとっては「虐待」として映り、大変なストレスを与え、時には病気の発症につながってしまうのです。